十二国記 第20話
泰麒は戴国の王として驍宗を選んだ。だが嬉しいはずの泰麒からは明るさが失われていた。――天啓がなかったのに、驍宗を王に選んでしまった――天が泰王を任じる儀式のとき、天の裁きが驍宗を滅ぼす、そう信じていたのだ。天勅を戴き、泰・・・
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泰麒は戴国の王として驍宗を選んだ。だが嬉しいはずの泰麒からは明るさが失われていた。――天啓がなかったのに、驍宗を王に選んでしまった――天が泰王を任じる儀式のとき、天の裁きが驍宗を滅ぼす、そう信じていたのだ。天勅を戴き、泰・・・
昇山者たちの中に戴国の王となる人物を見いだせなかった泰麒は、毎日のように李斎と驍宗に会いに出かけた。ある日、泰麒は驍宗達のスウグ狩りについていくことになったのだが、泰麒の身を必要以上に案じる女仙たちの発言に、驍宗は侮られ・・・
十年も日本で育った泰麒が、転変や使令を持つ方法を知るはずもない。そこで助力を頂ければと、碧霞玄君玉葉が景麒を呼んだのだった。すっかり景麒になついた泰麒だったのが、結局転変も使令を持つことも出来ず…。
突如蓬廬宮の外へと引きずり落とされてしまった泰麒。何が起こったのか分からないなかで、手首に鎖が巻きつけられ、そこから赤い血が流れ出しているのが見えた。泰麒を捕らえた醐孫と汕子は激しい闘争を繰り広げる。そこへ禎衛ら女仙達が・・・
陽子は、自分と同じく胎果として日本で育った幼い戴国の麒麟・泰麒の話を、景麒と蓬山に住む女仙の蓉可から聞いていた。泰麒は触によって日本に流され十年の時を経て蓬山へと帰還した。そして、日本では自分の存在自体がまわりに不快な思・・・
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